刻々と試合時間が近づき、控え室に緊張した空気が流れ始めた。
相手のデータは、共に対戦経験のある控え室にいた2名からのみである。
それと、タイトルマッチを経験している実力者であること。
浜田選手は、緊張した空気を取り払うかのようにミットを打ち始めた。
余談ではあるが、プロの格闘家とアマでメチャクチャ強い選手(男女問わず)のミットを持たせてもらった
ことがある。この両者の打撃は、どこか違う。上手に説明できないが、打撃の重さの種類が違うような気がする。
アマは、”相手を潰す”感じで、プロは”仕留める”と表現すればいいのか・・・
どちらかといえば、寝技が得意な浜田選手も、やはりプロの打撃だった。
クリーンヒット(右フック)すれば必ず倒れるはずだとDr.りふれは確信した。
ついに、その時が来た。浜田選手がコールされ颯爽とリングに登場だ。
花道スグ横にいたDr.りふれが大きな声で”行って来い!!”と叫んだが、
すでに戦闘モードに入っている浜田選手には、聞こえてなかったようだ。(それでいいのだが・・・)
一方、対戦相手はホームの大声援によって入場してきた。ここで、Dr.りふれの闘志に火がついた。
完全なアウェイでの戦いのため、応援に熱が入りすぎてここから先は記憶が定かで無い。
1R 開始直後から打撃を中心に前に出る浜田選手。相手も冷静にガードしている。今度は、組み付いてテイクダウンを奪おうと
何度も仕掛けるが、やはり並みの選手では無い。簡単には取らしてくれない。再度組み付いたときに逆にテイクダウンを奪われた。
そこからは体重のかけ方が非常に上手くナカナカ逃れられない。更に、パウンドもハリトーノフを思わせる強烈なものだった。
相手にマウント状態にされたまま1Rが終了。強い!かなり強い!!
2R そんな心配をよそに、2Rも浜田選手は攻めていく。相手も組んだときに膝を打ってくるなどいやらしい攻撃だ。
1分過ぎか?浜田選手にドクターチェックが入る。パンチか膝か?左目の下が腫れていた。試合再開直後だったと思う。
浜田選手 こん身の力をこめた右フックが相手をかすめた。惜しい…!もう少しだった。あれが当たっていれば展開が変わったかも・・・
その後、再びテイクダウンを奪われ2R 2分18秒 腕ひしぎ逆十字で1本負けだった。
残念だ。しかし!恐れず、常に前に出る戦い!観ていて気分が良かった。
試合後、疲れた身体で挨拶に来てくれた。左目の下が腫れていて痛そうだったけど、
”マタ練習して頑張ります!”言ってくれた浜田選手。
次の試合もマスマス応援に行きたくなってきた。頑張れ浜田選手。